ペンギンオヤジの舌がん闘病記 Written by ペンギンオヤジ

【書籍】「がんを告知されたら読む本

がん 書籍

「がんを告知されたら読む本ー専門医が、がん患者にこれだけは言っておきたい”がん”の話」

谷川啓司:著
プレジデント社

私がステージ3の舌がんを告知された時に、手にとった1冊です。

今や日本人の2人に1人が、がんになると言われてますが、この病気について詳しいことを知ってる人は案外と少ないのではないでしょうか?

私も自分が告知を受けてみて初めて、がんについて詳しいことは何一つ知らなことに気づいたのです。

もしも自分が・・・、もしも身近な大切な人が・・・・、がんを告知されたとき、気持ちが揺れ動いたり途方に暮れたりすると思いますが、まずはこの本を読んでがんについて知ることから始めてみるのはどうでしょうか?

【目次】

アマゾンの内容紹介

抗がん剤、病院選び、がんの正体・・・妻と父を”がん”で失った医師が分かりやすく伝える、がん治療の基本。患者さんと家族に読んでもらいたい、がん治療書の決定版。

目次:
第1章 がんを知ろう
第2章 なぜ、がんで死ぬのか?
第3章 なぜ、がんは治りにくいのか?
第4章 がんに免疫がうまく働かない理由
第5章 がん治療の基本
第6章 がんの三大治療
第7章 治療で目指すべき目標
第8章 三大治療以外のがん治療
第9章 免疫力を上げる
第10章 がん治療と心

この本のチェックポイント

チェックリストの画像

この本を読むことで、どのようなことが理解できるかというと・・・

がんとはどういう病気なのか?

なぜがんで死ぬのか?

手術、抗がん剤、放射線治療のメリット、デメリット

がん治療に対する心得

ざっと、こんな感じで”がん”に関してかなり分かりやすく書かれています。

その中で、私にとって特に参考になったのは
– 免疫についての話し
– がん治療の目的と心得
この2点です。

がんとはどういう病気なのか?

疑問符

現代は日本人の3人に1人ががんで亡くなり、2人に1人はがんにかかるという時代です。

がん細胞には、正常な細胞とは違う次のような特徴があります。
(1)いつまでも増え続ける
(2)発生場所とは別の場所に移転できる

人間には60兆個の細胞があるといわれています。その細胞は分裂を繰り返していて、古い細胞は遺伝子情報を新しい細胞へコピーして(分裂して)寿命を迎え、老廃物として体外に排出されます。

しかし、遺伝子のコピーをするときに時おりミスが発生します。このコピーミスが、がんの原因とされています。

コピーミスの細胞は正常な細胞と違って「寿命で死ぬ前に数多く分裂し、いつまでも増え続ける性質」を持っているので、がん細胞はいつまでも増え続けるのです。

そして増え続けたがん細胞は塊となって腫瘍になります。

がんにはもう一つ、別の特徴があります。それが「身体のほかの場所に浸潤(広がりながら増えること)や移転できる」という性質です。この特殊な性質がなければ良性腫瘍、あれば悪性腫瘍ということになります。この悪性腫瘍が”がん”なのです。

正常な細胞は、例えば肺の細胞は分裂して新しい細胞になっても肺でしか生きられないそうです。胃の細胞は胃、肝臓の細胞は肝臓でしか生きられず、決してほかの臓器の細胞になることありません。

しかし、がん細胞は例え肺で分裂したとしても胃や腸へと場所を変えて生きることができるとのこと。

だから「がんは転移する」といわれるんですね。

ここまで読んで、何となくがんの特徴は理解できたように思いました。

そしてもう一つ。

なぜ人はがんで死ぬのか?ということについても書かれていて、読んでいて「なるほど!」と頷いてしまいました。

死に至るためには条件が必要であり
その条件が満たされなければ
いくらがんが進行しても私たちは死なないのです。

死に至る条件とは何か?・・・この点については是非とも本書を読んで私と同じように大きく頷いて欲しいと思います。

免疫についての話し

免疫力のイメージ

私たちの身体には免疫という病気と戦うしくみが備わっており、がんの治療においても、この免疫の力を上げることがとても大事である。

がんと診断されると手術や抗がん剤治療などを受けますが、どんな治療を行っているときでも”がん細胞”に対して常に戦っているのは免疫である、という事実は頭に入れておく必要があります。

魔法のような効果を期待するべきではありませんが、免疫を上げるためにできることは、がんと診断された直後から始めるべきだと思ってください。

この本の中では、がんの治療を受けるにあたって「免疫力を上げる」ことの大切さが繰り返し書かれています。

そして免疫の仕組みや、なぜ免疫細胞はがんに勝てないことがあるのか?ということについても分かりやすく書かれていて、色々と勉強になりました。

では、免疫力を上げるためには具体的に何をすればよいのでしょう?

免疫を上げるために、心理的ストレスを軽減することはとても重要です。私たちの心の状態と身体を守る免疫は、非情に密接に連携しています。

がんを告知されると、人によって程度の差はあるでしょうが気持ちが落ち込んだりするのがフツーだと思います。
だけど、そういう心理的ストレスを抱えたままだと免疫力が下がってしまい、せっかくのがん治療の効果もイマイチになってしまうのだとか。

逆に前向きな気持ちで治療に取り組めば、免疫力も上がり治療の効果も高まるらしいです。

興味深かったのは、認知症の人ががんになったとき自分ががんであると認識しないので、治療の効果が高まることがあると書かれていて、思わず「へ~」って思いました。認知症にも思わぬ効能があるんですね。

免疫を上げるための具体的な方法については、著者が免疫療法の専門医であることから医療の現場でどのように施術を行っているのかが書いてあります。

しかし、日常生活を送る中で、例えば、どんな食べ物が免疫を上げるのかというようなことについてはさらりと触れてあるだけなので、ちょっと物足りない感じ。

ただ、免疫を上げるためにできることは自分でもできるだけやってみよう!と思いました。

抗がん剤との向き合い方

点滴の写真

たとえ一時的であれ、抗がん剤によってがんが縮小することが、ある程度認められているのは事実です。全身治療として抗がん剤以上にがんを効果的に縮小させる方法は今のところありません。だからこそ患者にとって有益と判断され、標準治療とされているのです。

がんを告知されると次はどういう治療を受けるか?という話しになりますよね。

がんの治療は大きく分けると「標準治療」と「民間療法(代替療法)」の二つがあります。

「標準治療」とは、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線治療の三大治療のことで、症状やがんの進行具合などによって3つのうちのどれか、もしくは組み合わせて治療が行われることになります。

だけど、抗がん剤治療ときくと「副作用が苦しい」とか「抗がん剤は効かない」などとネガティブなイメージを持ってる人が多いような気がします。

実は私もがんの告知のあと、術前化学療法といって手術前に抗がん剤療法をやりましょう!と主治医から提案されたのですが「抗がん剤」というワードにビビってしまい、逃げてしまいました。

だけど、この本には

  • 抗がん剤のメリット、デメリット
  • なぜ抗がん剤では副作用が起こるのか
  • 抗がん剤はどれくらい効果があるのか

などといったことが分かりやすく解説されているので、ネガティブなイメージにとらわれることなく、抗がん剤治療に向き合うことができると思います。

感想に代えて・・・がんを告知されたら、まずはがんのことを知ろう

青空と人差し指

がんを告知されたら、まずしなければならないのは、がんは怖いという表面的なイメージにとらわれるのではなく、がんという病気の実態を知ることです。

これは本当にその通りだと思いました。

私も元気なときは、がんについて知ろうともしなかったし、何より「自分はがんにはならない!」という根拠のない自信をもっていたんですよね。

でも、いざ自分ががんになってみると、いかに自分はがんという病気に関して無知であったかを思い知りました。

そして無知であったが故に余計な恐怖を感じていたのだと思います。

「敵を知り、己を知れば、百選危うからず」というお馴染みの古語がありますが、がんという病気のことを知る。それががん治療の第一歩だと、この本を読んで思ったのでした。

もう一つ。

「インフォームドコンセント」という言葉はご存知でしょうか?

これは医師から患者に対して病状や治療の方針について充分に説明をして、患者の同意を得たうえで治療を行うことです。

私もがんの告知の後、病状や今後の治療方針などについてのインフォームドコンセントを受けました。

ただ、その時はがんについての知識がほとんど何もなかったので、ただ単に医師の説明を聞くだけだったんですよね。「何か質問ありますか?」と聞かれても、何が分からないかが分からない・・・そんな感じでした。

その後、この本や別の本を読んで自分なりにがんのことが理解できるようになると、医師の説明も理解できるようになったし、疑問に思うことや確認しておきたいことも出てきて、納得したうえで治療方針を決め、受けることができるようになりました。

世の中にはがんに関するトンデモ本、インチキ本というのがけっこう出回っています。

事実に反することを書いた本や、著者の勝手な思い込み、独善的な主張を基にして書かれている本。

こういう本を読んで、うっかり信じ込んだばかりに命を落としてしまった人さえいるのです。

その点、本書は「まとも」というか、タイトル通りがんを告知されたら最初に読む本としてピッタリだと思います。