ペンギンオヤジの舌がん闘病記 Written by ペンギンオヤジ

【雑記】がんの標準治療と民間療法(「アライブ がん専門医のカルテ」6話から)

雑記

こんにちは、ペンギンオヤジです。

フジテレビ系で20年1〜3月期に放映されていた「アライブ がん専門医のカルテ」第6話。この回のテーマは、がんの標準治療と民間療法でした。

私も舌癌の告知を受けたあと、後遺症が残る手術をなんとか避けたいと思い、民間療法や代替療法に手を伸ばしかけたことがあるんですよ。

それだけにドラマを見ながら、他人事だとは思えなかったんですよね。。

今回の記事ではドラマの内容に触れながら、がんの標準治療と民間療法のこと、なんで私が民間療法ではなく、標準治療を選んだのかについてまとめてみました。

なお、以下の記事は医者でも医療従事者でもない一人のがん患者だった私の意見であり、感想であることを念頭にお読みいただければ、と思います。

【目次】

ドラマのあらすじ

説明する医師

腫瘍内科医のドクター、恩田心(松下奈緒)が新たな患者と付き添いの両親に対して「娘さんはステージ3の胃がんです」とがんの告知を行い、治療方針として手術の前に抗がん剤による術前化学療法をします」と説明。

それに対して娘の父(ベンガル)が「自分の母も、知り合いも抗がん剤で苦しんで死んでいった」とドクターの治療方針に強く反対します。

その場は、娘と母がとりなして、抗がん剤治療を受けることになりました。だが、院内で抗癌剤の副作用に苦しむ別の患者を目にした父は、今まさに抗がん剤の点滴を受けようとしてる娘のところへ駆けつけ、「抗がん剤は毒だ!今すぐ、娘の点滴を止めろ!」と騒ぎを起こしてしまいます。

父のその様子を目の当たりにした娘は涙ながらに「病気になってごめんなさい」と言って、父の言うとおり「抗がん剤治療をやめる、点滴の針を抜いてほしい」とドクターに告げます。

その後、娘と両親はつらい治療がない民間療法を「売り」にしてるクリニックで治療を始めてしまうのだが・・・

がんの標準治療と民間療法

様々な薬
ドラマの中ではあまり説明されてなかったので、がんの標準治療と民間療法について。

標準治療とはざっくり言うと、手術、化学療法(主に抗がん剤治療)、放射線治療のことで、保険適用されている治療のこと。

それに対して民間療法とは、医学的に治療効果についての保証がされてなくて保険も適用されず全額自己負担になる治療のことです。

民間療法の主なものには、免疫療法、遺伝子医療、健康食品、漢方 、スピリチュアル、サプリメントなどがあります。

ドラマの中でも少し触れられていたけど、すべての民間療法=インチキ医療というわけでないのだけど、かなり怪しいものがあるのも事実。

抗がん剤は毒なのか?

点滴とスタンド

さて、ドラマの中で患者である娘の父親が「抗がん剤は毒だ!」と言って、騒ぎを起こしました。

抗がん剤は毒だ!

抗がん剤は苦しい!

抗がん剤は効果がない

こういったことを言う人、信じる人が後をたちません。

本当なのでしょうか?

ご存知の方も多いと思いますが、抗がん剤はがん細胞の他に通常の細胞も攻撃してしまうので(だから副作用が起こる)、毒だと言われればその通りなのかもしれない。

でも、それだけ強い薬じゃないと、がんとは闘えないんだというのが私の理解です。

また、抗がん剤の副作用についてだけど、これは人によるし、薬にもよると思うんですよね。

私は「TS−1」と「シスプラチン」という抗がん剤治療を受けたけど、副作用は思ってたほどひどくはなかったと感じてます。吐き気と倦怠感、それに多少の脱毛があったくらい。

抗がん剤治療を始めて直ぐに免疫力の低下から高熱をだしたことがあるのだけど、ドクターが(私にとって)薬が強すぎると判断して、薬の量を減らすという処置をしてくれました。

(私に言わせれば、抗がん剤治療よりも放射線治療の方が何倍もシンドかった)

抗がん剤は効かない・・・というのは、半分は本当で半分はウソかなって思ってます(あくまでもわたし個人の理解です)。

あるドクターが本だかネットに書いていたのですが、「抗がん剤はやってみないと分からない」のだそう。

確かに抗がん剤を投与してもがんが改善されなかった人もいると聞くし、抗がん剤でがん腫瘍が小さくなったり、消えたという人もいます。

抗がん剤は万能薬ではないのです。でも、だからといって「毒だ!」といって一刀両断にすべきものでもないと私は思います。

とかく、副作用などの負の側面が強調されがちですが、私のようにあまり苦しまないで済んだ人だっているのです。

あまり「抗がん剤=過酷な治療」というような不安を煽るのもいかがなものか?と思うのですが。。。

なぜ民間療法に頼ってしまうのか?

医療相談のイメージ

例えば「苦しい治療」と「苦しまない治療」という二つの選択肢があったら、どちらを選びますか?

民間療法の多くは、苦しくない、すぐに治る、ということを謳ってたりします。金の棒で患部をこすったり、訳の分からない風呂に入ってがんが治るなら誰だって、そちらを選びたくなりますよね。苦しくなさそうだし・・・

怪しいと思われる民間療法に頼ってしまう一つの原因はコレだと思ってます。

それからもう一つ。

手術や抗がん剤治療の甲斐もなく、がんが治らず緩和ケアを勧められる患者さんにとって、民間療法は怪しいと分かっていても、一か八か試してみようと思う最後の手段になることがあるのです。

今回のドラマの中で高畑淳子さんが演じる患者が、担当医の松下奈緒にこんなことを言います。

「こんな民間療法になんで騙されるのって思うでしょ、助かりたいからよ、何にすがっても助かりたいから」

まさに患者の気持ちを代弁してるセリフだと思いました。

標準治療か民間療法か迷ってるときに気づいた大切なこと

ひらめきのイメージ

ステージ3の舌がんを告知され、治療方針として術前化学療法(抗がん剤)と手術(舌の6割以上を切除したうえで太ももの筋肉をつかって舌を再建する)を医師から提案されました。

さらに、手術で舌を切除することでその後は、今までのように話したり、飲み食いができなくなることも説明されました。

つまり、手術を受けたら、もう元の体には戻れない・・・私はそう理解しました。

そうした説明を受けて、私は何とか手術を回避したいと思い次のような手段で情報を集めました。

・本を読む
・友人たちに情報を求める
・セカンドオピニオンを受ける

残りの人生で障害を抱えないために必死でしたね。

情報を集めてる中で、私もやはり民間療法に飛びつきそうになりました。何とか切らずに治したい!という思いが強かったんですよね。だから、民間療法の負の側面が見えてなかった。

そんな私が民間療法の誘惑を断ち切り、手術を受ける決断をしたのは次のようなことがあったからです。

(1)友人の言葉

facebookを通じて、友人たちにがんの情報を教えてほしい!とSOSを送ったときに、一人の友人が、とくに押し付けるでもなくいろいろな情報の最後に「切る(手術)という選択肢があるということを忘れないでください」と書いて送ってくれました

この友人の言葉を少し説明すると、がん患者の中には病気が進行してしまって手術を受けることもできない人がいるということです。

今、思い返してもこの友人の言葉はありがたかった。背中を押されました。

(2)セカンドオピニオンの説明

最終的にどういう治療を受けるかを決めるために、セカンドオピニオンを受けました。
そこで、手術をすることがどれだけ合理的であるかを説明され、すごく納得させられたんですよ。

(3)民間療法の負の側面に気づく

本やネットで民間療法について調べているうちに、ふと気づいたんですね。

これだけ「がんが治る」「がんが消える」と謳ってる治療方法が、なんで保険適用でないのか?なんで多くの病院で採用されないのか?

答えは簡単ですね。

治療実績が乏しいから。標準治療と比べて治る症例が少ないから国も保険適用してないんですよ。

民間療法でがんが治った人もいると思います。だけど、確率的には標準治療よりもかなり低いはず。

標準治療が万全だと私は思ってません。だけど、少なくとも民間療法よりは治る確率は高い。そう気づいたときに私は民間療法の誘惑を断ち切り、例え後遺症が残るとしても手術を受ける決断をすることができました。

最後に・・・(自分で納得して、治療を受けよう)

四葉のクローバーと病院

結局、私は手術という選択肢を選び、そして事前に説明されていたとおり、ちゃんと障害が残りました。。

だけど、後悔はまったくないし、むしろ生き延びれたことに感謝してるくらいです。

私が今、そのように感じていられるのは「自分でとことん調べて、とことん考えて、自分が納得して、自分で治療方針を決めた」からだと思ってます。

医者に勧められたから・・・という理由で治療方針を決める人もいます。

だけど、最後の最後は生きるのも、死ぬのも自分自身です。

例え障害が残っても、あるいは万に一つ命を落とすことがあっても、それを人のせいにしたくなかったのです。

自分の人生、他人のせいにして生きたくないですからね。

だから、私は自分で納得したうえで治療方針を決めたかった。最終的には最初にドクターに勧められたとおりの治療を受けることになったけど。