ペンギンオヤジの舌がん闘病記 Written by ペンギンオヤジ

【書籍】「最高のがん治療」

がん 書籍

世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった「最高のがん治療」
津川友介、勝俣範之、大須賀覚:著
ダイヤモンド社

もしも、ある日「あなたはがんです」と告知されたとしたらどうしますか?

「日本人の2人に1人はがんになる」という統計データもありますが、多くの人は「まさか、自分はがんにはならないよ」と楽観的に考えてると思うんですね。

実は私自身も何の根拠もなく「自分はがんにはならない!」と思ってました。

でもね、3年前のある日「ステージ3の舌がん」を告知されてしまったんですよ。。。

実際、自分ががんになって分かったことがいくつかあって、そのうちの一つが「がん治療」にまつわるさまざまな落とし穴のことです。

例えば、なぜか(会ったこともない)友達の友達あたりの人から「このサプリがいいよ」とか「こんな治療法がいいって聞いたことあるんだけど、どう?」などとSNSなどを通じて(ありがたい??)アドバイスが送られてきたことがありました。

あるいは、がん治療に関する本を何冊も読み漁った結果、主治医のことが信じられなくなって(今にして思えば)怪しい治療法にすがりそうになったこともあります。

こういったサプリや健康法、怪しい治療法にはきちんとした医学的な根拠は殆どなくて、「トンデモ医療」を信じてしまったがために、命を落とした人だっているんですよ。

今、これを読んでくださってる皆さんは、そんなふうになりたくないですよね?

この「最高のがん治療」は、そんな「トンデモ医療」に引っ掛かってしまう人を少しでもなくしたい!という思いで書かれた1冊です。

私は読み終えて、この本を3年前の自分に読ませたい!って思いました。

がんの告知を受けた直後というのは心も不安定になっていて、そんな時に甘い言葉で近寄ってくる怪しい情報や健康法、トンデモ医療に引っ掛からないためにも、ぜひ手にとって読んでほしいと思います。

【目次】

アマゾンの内容紹介

科学的根拠に基づいた、いちばんやさしくていちばん正しいがんの本!
抗がん剤、免疫、先進医療、緩和ケア、食事、検診、予防医療……。
玉石混淆のがん情報の中から、効果が証明されたもののみを厳選。
これを読めば「現時点で最も効果が期待できるがんの治療法」がわかる!

この本で得られる知見

ボード上のポイント

最高のがん治療とはなにか?

「トンデモ医療」はどうやったら見抜けるか?

緩和ケアは第4の治療法と言われるわけ

がんになるリスクを高める食品、下げる食品

わたしが選んだキラーフレーズ6選

読者の皆さまは、ぜひ「保険が適用される治療法」(「標準治療」と呼ばれる治療法)を受けてください。実はこれが、最も効果が期待できる最高のがん治療法だからです。

「標準」と聞くと「並の治療法」だと誤解する方もいるかもしれません。しかし、標準治療は英語のスタンダード・セラピーを日本語訳にしたものであり、英語の「スタンダード」には「全員が行うべき優れたもの」というニュアンスがあるのです。

研究の結果、早期緩和ケアを受けていた患者さんは、生活の質が高かっただけでなく、うつ症状も少なく、生存期間の延長も認められました。

インターネットや本などで「がんが消える」などと派手に宣伝している自由診療が多いですが、がんに有効であるという科学的根拠を証明したものはありません。
もしも科学的根拠があるならば、標準治療として保険適用になっているはずです。

今では、治すことは難しいがんでも、共存できる時代になりました。がんとうまく付き合い、うまく共存を目指し、正しく向き合っていくことが大切です。

私たちが日々口にするものの中に、がんになるリスクを上げるものがいくつかあります。その代表的なものが(1)ハムやソーセージなどの加工肉および赤い肉(牛肉や豚肉)と(2)塩分の2つです。

最高のがん治療はなにか?

星印

読者の皆さまは、ぜひ「保険が適用される治療法」(「標準治療」と呼ばれる治療法)を受けてください。実はこれが、最も効果が期待できる最高のがん治療法だからです。

がんの標準治療は、(1)手術、(2)放射線治療、(3)抗がん剤治療の3つで構成されています。この3つをまとめて「3大治療」と呼びます。
どこの臓器にどのような種類のがんができたかで、治療法は異なります。ただ、基本的には3大治療の順番や組み合わせなどを変えて対応します。

「最高のがん治療」というタイトルに過剰に期待すると、この本を読んで失望してしまうかもしれません。。

この本の中では繰り返し、標準治療(手術、放射線治療、抗がん剤治療)がどれだけ優れた治療法であるかを多くの研究結果を示しながら説明されています。

まぁ、当たり前といえば当たり前の話しが書かれているだけです。

思わず「・・・だけです」と書いてしまいましたが、これって実はスゴイことなんですよ。

私も3年前にがんの告知を受けてから数多くのがんに関する本を読んできました。

その大半の本には「食事でがんが消えた!」みたいな感じのことが書かれていたし、中には標準治療を否定するようなものもありました(もっとも、読んだ当時はそれを信じてしまってましたが・・・)。

つまり、標準治療を積極的に推奨してる本って案外少ないんですよ。

標準治療が一番いいというと、「本当に標準治療で大丈夫なの?もっと、いい治療方法があるんじゃないの?」と疑う人もいるかもですね。

たとえば現在、医療の場で使われてる抗がん剤。

この薬がどれだけスゴイのか?

新薬の開発で、最終的に効果が認められて実際に医療の現場で使われるものって、1万個に1個!つまり0.01%ということです。

とても厳しい検査をパスした薬だけが標準治療に取り入れられているのです(詳しい話は是非とも本書にてご確認を)

標準治療が最高の治療法である理由は、このように薬にしても治療法にしても厳しいテストを経て効果が認められたものだからです。すべてに医学的な(科学的な)根拠があるんのです。

「安価だから標準治療にそこまで効果はない(安かろう悪かろう)」と考えるのは誤りです。

保険適用されている標準治療は、実はとても高額です。

たとえば、がんの手術を受けると本来は100万円を超す費用がかかります。

標準治療は保険適用なので、実際に窓口で支払う治療費は安価になるんですよ。

高額な医療の方が効果がある、と考える人もいるかもですが、標準治療だって本当は高額なんですよ。

ちなみに私の場合。舌の2/3を切除した後、太腿の筋肉を使った舌の再建、そして頸部リンパ節に転移したがんの切除という手術(10時間以上もかかった!)の手術代。

まともに払ったら約240万円でした。

でも、実際は保険適用だし、高額医療費の「限度額認定認定証」という制度を使ったので、1か月の入院費(手術代など全て込み)は約54万円でした。そのうちの42万円は差額ベッド代(ずっと個室でした)だったので、それを差し引けば12万円です。

余談ですが、がんになって実感したのは日本の保険制度は本当によく出来てるな、ということです。

そのおかげで、とても安価で「最高のがん治療」が受けられるんですね。

「トンデモ医療」はどうやったら見抜けるか?

虫眼鏡のイメージ写真

代替療法のうち民間療法とは、健康食品、サプリメント、ヨガ、マッサージなど、医療機関以外で行われている治療法のことを指します。
民間療法の一部には、がん患者さんの生活の質を改善したり、副作用を改善したりする科学的根拠があります。
(中略)
しかし、がんを縮小させたり、延命効果を示したりするというがんへの直接的な治療お効果があると明確に証明された民間療法は1つもないのが現状です。

治療開始から6年が経過した時点での生存率は、標準治療を受けたグループでは75%、代替治療のみのグループでは50%と大きな差が認められました。

標準治療を受けずに代替療法を受けているがん患者さんほど、生存率が低い

がんの治療には「標準治療」の他に代替療法といって、自由診療や民間療法というものがあります。

ちょっとややこしいのは、代替療法だからといって全てが「トンデモ」かというと、生活の質を改善するなどの科学的根拠のある治療法も含まれてるんですよ(ただし、がんそのものを治癒するほどの効果は証明されていない)。

反面、効果が科学的に証明されてないのに「がんが消えた!」みたな謳い文句で患者さんを誘惑する「トンデモ医療」があるのも事実なのです。

例えば、「ビタミンC療法」とか「免疫細胞療法」って聞いたことなですか?

このどちらも実はがんの治療に対して有効であるとは科学的には証明されてないものなんですね。

悪質なものだと「酵素風呂」とか「純金の延べ棒」とか。。

ついでに書くと、医者が「がんになっても手術するな、放置せよ」みたいなことを書いた本も売られたりしてます。。

健康な人からしたら、「なんでそんなインチキに引っ掛かるんだよ?気づけよ!」って思いますよね?

でもね・・・

ちゃんと引っ掛かるんですよ!すがろうと思うんですよ!

3年前の私もそうでしたから(詳しい話は最後の方に書きますね)。

とにかく代替療法の多くは科学的根拠のない治療法であることを、この本では研究結果などを交えながら丁寧に解説されてます。

そして「トンデモ医療」を見分けるポイントもいくつかあげられていて、それは例えば以下のようなものです。

  • 保険が利かず高額な治療法は危険
  • 「どのがんにも効きます」という文言を信用してはいけない
  • 「免疫力アップ」という言葉にだまされるな
  • 個人の経験が他の人にも有効とは限らない
  • などなど

引用でも紹介したように、標準治療を上回るほどの効果がある代替療法は1つもないのです。そのことだけは覚えておいて損はないかと。。

緩和ケアは第4の治療法と言われるわけ

数字の4

「あなたには標準治療は終了しました。もう治療はありません。今後は緩和ケアをすすめます」などと患者さんを見放してしまうかのように説明することも、残念なことにいまだに多くの病院で行われています。
緩和ケアは標準治療の1つであり、積極的治療と併用するものという認識が医学界でなされていないことも、誤解を生む要因になっています。

積極的治療だけでなく、緩和ケアも標準治療の1つなのですから、その意味で「もうできることはない」と言うことは問題です。
こうした医療現場でのコミュニケーション不足が患者さんをがん難民に導き、怪しげな代替療法や医療否定本に走らせる一因になっていると言っても過言ではありません。

「緩和ケア」という言葉を聞いたことがありますか?

緩和ケアとは、がん患者さんの痛みや苦しみを和らげる治療のことです

実は私も「緩和ケア」というと、もう助かる見込みがない患者さんが受けるものというふうに思ってました。

だから、医者から緩和ケアをすすめられるということは、「もう、あなたは助かりませんよ」と死の宣告を受けているのと同じだと思ってたんですよね。

たぶん・・・多くの人が私と同じように思っているから緩和ケアをすすめられると動揺して、「万に1つの可能性」に賭けて怪しげなトンデモ医療に手を出してしまうんだと。

でも、この本を読むと緩和ケアは格段に進歩していて、単なる延命治療ではなくなってることが分かります。

研究の結果、早期緩和ケアを受けていた患者さんは、生活の質が高かっただけでなく、うつ症状も少なく、生存期間の延長も認められました。

早期に緩和ケアを導入することは、延命効果をもたらしただけでなく、メリットの少ない終末期の抗がん剤を減らし、生活の質を向上させたのです。

つまり、早期緩和ケアによって「生存期間の延長が認められる」「生活の質が高まる」という効果があることが分かってきたというのです。

「早期」緩和ケアという言葉が示すように、今や緩和ケアは終末期医療ではなくなってきているようです。

私、再発転移を一度経験してるんですね。もしも、次に再発転移があったとしら恐らく遠隔転移で手術もできず、抗がん剤治療・・・ってことになると思ってるんですよ。

自分がそういうふうになった時に緩和ケアという選択肢があるというのは、ありがたいなぁ、って本を読んで思ったんですよ。

がんとか病気の本を読むと「生活の質(quality of life)」という言葉がよく出てきます。病状にもよると思いますが、人生の最後の最後にずっと病院のベッドに横たわって過ごすのか、自分の好きなことをして過ごすのか、この違いって大きいじゃないですか。

くれぐれも緩和ケアを勧められたからといって、絶望して怪しげな治療法にすがったりしないようにしたいものです。

感想に代えて・・・人はなぜトンデモ医療に引っかかるのか?

手のひらの上の?マーク

この本を読み終わって、3年前の自分に読ませたい!って思いました。

「舌がん(ステージ3)、頸部リンパ節への転移あり」という告知を受けたうえに、舌の2/3を切除する手術の後は、話したり、食べたりするのが今までのようには出来なくなるという説明を受けたのです。

つまり、手術をすることでもう元の体には戻れない・・・ということです。

その説明に大きなショックを受けた私は、手術を回避するために必死で情報を集めました。ネットの情報やがんについて書かれた本。

その結果、危うく怪しげなトンデモ医療に身を委ねる一歩手前までいってしまったのです。

その時の詳しい話しはこちらの記事に書きました。

 

 

「人はなぜトンデモ医療に引っかかるのか?」私は次の2点が要因ではないかと思ってます。

(1)がんに対する知識がない

(2)がんの告知により精神的に冷静な判断ができない状態になる

日本人の2人に1人が、がんになると言われてますが、私を含めて事前にがんに対する知識を持ってる人って案外と少ないのではないでしょうか?知っていたとしても断片的だったりとか。。

そんな無知の状態で「苦しくない」「これでがんが消える」などと甘いことを言われたら気持ちがグラつくのは当たり前じゃないかと。。

それに今だったら怪しい医療情報を見て、「それでがんが治るなら誰も苦労せんわ!」と笑い飛ばせます。でも、「がんになった!」「もう元の体には戻れない!」と言われた直後には気持ちが動揺していて、とても冷静な判断ができなかったのだと思います。

「なんで、そんな怪しい治療に引っかかるんだよ?!」と笑う人もいるかもしれません。だけど、ある日とつぜん「かなり進行したがんです」と告知を受けたとしら、果たしてどれだけの人が冷静でいられるでしょう?

この本の最後に、こんな言葉が書かれてます。

この本は、がんに関する「情報のワクチン」です。本書でトンデモ医療情報への免疫をつければ、だまされることは格段に減ると思います。

がんになったことない人も、がんの経験者も是非とも手に取って欲しいと思います。

私もこれまで色々ながんの本を読んできましたが、この本を読んで情報のアップデートができたし、知らなかったこともたくさん書かれてました。

怪しげな情報に騙されないための転ばぬ先の杖です。