ペンギンオヤジの舌がん闘病記 Written by ペンギンオヤジ

【闘病記-13】舌がんの手術後の食事について「うまく食べられない問題」

闘病記

ペンギンオヤジ「舌がんの手術で舌の2/3を切除された後、食事がうまく食べられなくなってしまいました。」

今回の記事では「手術後の舌の状態」「入院中の食事について」「味覚について」、他にリハビリの先生や栄養士さんからもらったアドバイスなどについて書きました。

【目次】

舌がんの手術後の舌の状態

ベロのイラスト

舌がんの手術で舌の2/3を切除しました。同時に切除した舌の代わりに太腿の筋肉を使って舌の再建が行なわれました。

つまり、太腿の筋肉を使って新しい舌を作って残った1/3の舌にくっ付けたわけです。

新しい舌には神経が通ってなくて、残った1/3の舌の力を使って舌全体を動かさないといけなくなりました。

それでも一応、舌は動くのですが「以前と同じように・・・」というわけにはいきません。

そのため、手術後は主に「話すこと」「食べること」について障害が残ることになってしまいました。

入院中の食事について

おかゆ

手術後は食事どころか水を口に含むことすら禁止されていました。気道確保のために喉を切開されてその穴がまだ閉じられていなかったからですね。

禁止期間中は鼻に入れられてたチューブを経由して栄養剤が食道、胃へと送り込まれていたのです。

栄養剤と点滴台

手術から6日後、やっと「うがい」の許可が出ました。だけど、口の中に水を入れてもいいけど、飲んじゃダメ!って。

それから更に1週間後(手術から13日後)、食事再開に向けてまずは「水を飲む練習」が始まりました。

言語聴覚士の先生が横について私が水を飲む時に問題がないか聴診器を胸に当てて見守ってくれていました。

水がちゃんと食道を通って胃へと送り込まれているかの確認ですね。

これが誤って気管に入ってしまうと「誤嚥(ごえん)」といって、誤嚥性肺炎の原因になってしまいます。

手術から15日目。この日から1日に1回、昼食時にヨーグルトが出るようになりました。

カルシウムヨーグルト

ヨーグルトが出るようになった2日後にはペースト食が出るようになりました。

ペースト食

▲ペースト食、食材をミキサーにかけてドロドロにしたやつです。

健康な時には意識もしていませんでしが、食べ物を飲み込む時って舌を使って噛み終わった食物を胃に送り込んでいるんですよ。

その舌がうまく動かないのでヨーグルトにしてもペースト食にしても最初は飲み込みがとても難しかったです。

どうしても飲み込めない時は、仕方ないので顔を上に向けて引力の法則を使って食べ物を喉に方に落とし込みました。

そんな時、先生からは次のようなアドバイスをもらいました。

  • 口を開けて、舌を上の歯につけるようにトレーニングすると良い
  • 首を動かす運動をすることで飲みこみやすくなる

そして手術から3週間後、やっと普通のおかゆと刻み食が出されるようになりました。

舌の味覚機能は残っていた!

柴犬ごはん待ち

昔、学校の保健体育の授業で甘い、辛い、酸っぱいなどの味覚は舌の異なる部分で感じている・・・というようなことを習った記憶があります。

いわゆる「味覚地図」というものです。

この「味覚地図」をググってみると、いまではその考え方は否定されていて学校でも教えていないようです。

つまり、味覚は舌の異なる部分で・・・・ということを覚えている人は私と同じ、昭和の時代に学校教育を受けた人たちですね(笑)

《参考ページ》

手術前に舌の2/3を切除するという説明を受けた時、「かなりの味オンチになってしまうのかなぁ?」と思いました。

でも、病院の食事をいただいている時に「自分の味覚、ちゃんと残ってるじゃん!」ということに気がつきました。

人によっては味覚が変わった!ということもあるようですが、少なくとも私は手術前とほぼ同じように味を感じることができました。

ただ、お酢やコーラなどの刺激の強いものについては舌がピリピリして、ちょっとツラく感じるようになりました。

それと、アイスクリームのような冷たいものを口に入れると、舌がキュッと縮むような感じがして苦手になりました。。

ドクターによると人間の味覚は舌だけでなく口の中全体で感じるもの、だそうです。

私と同じように舌癌の手術で舌の2/3を切除したというタレントの堀ちえみさんのブログを見ると退院後も食べ物が美味しいというようなことを書いてます。

舌の半分以上を失っても、味覚はちゃんと残るものらしいです。

栄養士さんからのアドバイス

カウンセリングする白衣の女性

退院する数日前に栄養士さんから退院後の食生活について次のような栄養指導がありました。

  • 1日、1800〜2000キロカロリーを目安に摂る
  • 体重は(私の身長から)70kgぐらいがベスト
  • 食べにくい時は回数を増やして少しずつ食べる
  • カロリーとタンパク質を意識して食事を摂る

退院後、頑張って食事を摂るようにしていましたがどうしても「量」が食べられないので、それを補うために栄養補助飲料を併用していました。

ただ、それでも難しいなと思ったのがタンパク質の摂取量でした。

タンパク質というのはご存知の人も多いと思いますが、血液や筋肉をつくる重要な栄養素です。

癌で体重が落ち込んでいた私にとっては是が非でも摂りたい栄養素ですが、栄養補助飲料とかだとこれが必要充分な量を摂れないんですよね。。

肉などを食べるのが一番手っ取りばやいのですが、退院してすぐの頃は食べるのが大変であまり食べられませんでした。

そういう時、私は「生たまご」「温泉たまご」「納豆や豆腐などの大豆食品」をなるべく食べるようにして何とかしのいでいました。

身体の回復は「年」単位で考える

カレンダー

今日、発声・発語のリハビリを担当してくれている先生に教えて貰った。身体の機能回復は「年」単位でみていかなければいけない、と。手術からまだ1か月も経っていないのだから、うまくいかなくても当たり前というか、仕方のないことなんだね。

小さな積み重ねは、直ぐには「カタチ」にならない。だからこそ、「年」あるいは「(自分の)人生」という尺度で考えたり、行動するコトが大切になってくる。じっくり、焦らず、忍耐強く。今回の病気は私にそんなことを教えてくれた。

「話すこと」も「食べること」も一朝一夕にはよくなりません。

いくらリハビリを頑張ってもちっとも良くならないことに少しイラだったり落ち込んだりしていた時期もありました。

そんな時、リハビリの先生から「身体の機能回復は「年」単位で考える」という言葉をかけてもらい気持ちがだいぶラクになったものです。

スピードが求められているこの時代、頑張ったらすぐに成果が欲しくなるじゃないですか。

仕事でもそうですよね。頑張ったらすぐに成果を求められるし、結果が伴わないと嫌になりますよね。

だけど、時には長い時間軸で考えることも大切だと思うのです。

先生からこの言葉をもらってから私はこう考えるようになりました。

焦らず、慌てず、あきらめずに日々を積み重ねる

長い時間をかけて積み上げたものはそう簡単には崩れないと思うんですよね。

癌に限らず、大病を患ってリハビリに励んでいる時、

病気じゃなくても仕事などで頑張っているのに結果が出ない時、

そういう時は長い時間軸で考えること、日々の積み上げが大切だということに是非、目を向けて欲しいと思います。

今回のまとめ

ボード上のポイント
  • ・うまく飲み込みができない時は「口を開けて舌を上の歯につけるようにトレーニングする」
  • ・味覚は舌だけでなく口の中全体で感じる(舌の半分以上を失っても味覚は残る)
  • ・身体の機能回復は「年」単位で考える
  • ・人生、時には長い時間軸で考えることが大切で日々の積み重ねはそう簡単には崩れない