ペンギンオヤジの舌がん闘病記 Written by ペンギンオヤジ

【書籍】「専門医が教える がんが治る人 治らない人」

がん 書籍

「手術件数1000超 専門医が教える がんが治る人 治らない人」
佐藤典宏:著
あさ出版

ペンギンオヤジ「ある日突然、がんを告知されたらどうしますか?」

日本人の2人に1人が、がんになると言われてますが、それでも「まさか自分ががんになるなんて・・・」と思ってる人が多いように思います。

私も自分がステージ3の舌がんを告知された直後は色々と混乱したし、悩んだりもしました。

病院選び、治療費の心配、治療方法の選択、そもそも本当に治るのか?・・・etc

最悪なのは、ちゃんとした知識や情報を持たずに、エビデンスもない民間療法に飛びついてしまって、気がついたときには手遅れになっていたというケース。

自分、あるいは家族が突然がんを告知された時に慌てないようにするために、ある程度の知識は持っておいたほうがいいと思うんですよね。

この本の著者は専門医として1,000件以上の手術を手掛けてきた専門医。がんを克服するために必要な5つの力、「受け入れる力」「情報を集める力」「コミュニケーション力」「体力」「免疫力」について書かれています。

内容もそれほど難しくなく、がんを克服するために何をすればいいのかが分かります。

【目次】

amazonの内容紹介

ガンが早く発見され、手術がうまくいったとしても、一部の患者さんは、残念ながら、数年以内に再発して命を落とします。一方、手術と抗がん剤の併用治療を行い、再発・死亡リスクが高く、かなりがんが進行した状態の患者さんの中には、5年10年以上元気に暮らしている人がいます。同じ臓器の同じステージのガンであっても、患者さんによって治療経過がまったく異なるのです。

そこで、20年以上にわたり多くのがん患者の治療にたずさわってきた著者に、がんを克服した患者の共通点を明らかにし、がん治療を始めるまえに知っておきたいメンタルの整え方、正しい情報の集め方などについて解説していただきます。

この本のおすすめポイント

● 「がんが治る人」「がんが治らない人」のそれぞれの特徴や考え方で見出しが立てられていてわかりやすい

▼こんな感じ

● がんを告知された時に知っておいた方がいい情報が網羅されている

● いわゆる「トンデモ理論」や極端な意見がなく信頼できる内容になってる

がんを「受け入れる力」

壁を壊す人の写真

がんは治る病気と言われるようになりましたが、それでも日本人の3人に1人ががんで亡くなるというデータがあります。

やはり、がんは怖い病気!というイメージが強いんでしょうね。実際、怖い病気だと私も思ってますが。。

だから、がんを告知された時に動揺したり、落ち込んだりするのも無理ないと思うんです。

でも、大切なのは少しでも早く気持ちを切り替えて、がんを克服するために前を向くこと。

しばらくすると、沈んだ気持ちが上向きになり、「ガンを患った現実」を受け入れることができるようになります。個人差はありますが、落ち込んだ状態から現実を受け入れることができるようになるまでには、1〜2週間かかると言われてます。

ガンを克服するためには、告知後の落ち込みから1日でも早く立ち直ることが大切です。そのためには、遠慮せずに専門医に頼り、積極的に心のケアを受けるべきなのです。

ガンを克服するためには、だれかに助けを求めることも大切なことです。 自分1人で抱え込まないで、「みんなに協力してもらって一緒にガンを治す」と考えましょう。

正しい「情報」の集め方

情報を見極める

がんを告知された後って、考えなきゃいけないこと、決めなきゃいけないことがたくさんあります。

  • 病院選び(今の病院で本当にいいのか?)
  • 治療費はどれくらいかかるのか?
  • 主治医に説明された治療法の他にもっと良い治療はないのか?
  • 自分が治療を受けている間、仕事や家庭はどうすればいいのか?
  • ・・・etc

こうした情報を集めるときに気をつけなきゃいけないことがあります。

世の中には「がんが消えた!」「がんが治る」などというエビデンスのないサプリや民間療法を宣伝してる人やサイトがたくさんある、ということです。

ただ、非標準治療の本については宣伝目的のものが多く、あまりおすすめできません。 特に「**だけで末期ガンが消えた」といったセンセーショナルなタイトルの本は、信用できないと考えてください。

インターネット上のガンに関する情報のうち、たくみに民間療法の病院や高額なサプリメントなどの広告へ誘導するウェブサイトもありますので、注意が必要です

それと、勘違いしやすいのが「先進医療」という言葉。

先進医療は標準治療よりもすぐれた最先端の治療と誤解されることが多いのですが、実際には「 試験段階の治療」のことなのです。

手術、抗癌剤治療、放射線治療、この3つの治療法のことを「標準治療」といいます。よく、この「標準」という言葉から松竹梅の「竹」をイメージして、もっといい治療、つまり「松」の治療があるのではないかと思う人がいるのです。

その、もっといい治療=先進医療と勘違いする人が多いようなのですが、実際はこの本に書かれてるとおり「試験段階の治療」なんですよね。

がんに関する情報を集めるのに、友人やネットに頼るのもいいですが、私のオススメはセカンドオピニオンを受けることです。

少々、費用は掛かりますが(1〜2万円くらい)、主治医以外の専門医の意見や情報を得ることができます。

以前、セカンドオピニオンについてまとめた記事を書いたので、よかったら参考にしてください。

 

病院選びのポイント

手のひらの上の病院

どこで治療を受けるのかも大切なポイントですよね。

色々な病院検索サイトや口コミを気にされる方も多いと思います。

この本では病院選びについて3つのポイントをあげてます。

それは、次の3つの条件を満たす病院です。
① 自宅から通える病院
② スタッフや設備がそろった「ガン専門病院」
③ 自分と同じ種類(臓器)のガンの治療患者数が多い病院

全体として ガン患者さんの診療経験が豊富で、スタッフや設備がそろった病院 であることが必須条件になります。
このためには、地域の「 がん診療連携拠点病院」から選ぶのがいいでしょう

あなたのガンの種類について、病院での診療件数(たとえば1年間に実施した手術例数)を比べ、できるだけ患者数が多い病院を選びましょう。

手術例数が多い施設(病院)のことを「 ハイボリュームセンター(high volume center)」と呼びますが、ここで手術を受けたほうが、合併症が少なく、死亡するリスクも低くなることが、多くの研究で示されています。

実際、私も上記の3つの条件をクリアする病院を選びました。
そのときに参考にした病院検索サイトについて記事にしてあるので、よかったら御覧ください。

 

「免疫力」の高め方

 

免疫力アップ

私はがんを告知されてから随分とこの「免疫力」を気にするようになりました。

ただ・・・この「免疫力」って調べれば調べるほど、なんだかフワッとした言葉だなぁ、って思うんですよね。

だって、免疫力○○%とか、免疫力○○ミリグラムなんていう指数はないし、免疫力を高めたからといって必ずがんが治るわけでもないのです。

ただ、自分の体を健康に保つために、生活習慣や食生活を見直すのにはとても有効だと思ってます。

多くの研究結果から、免疫力を高めてガンを克服するためには、ストレスを減らし、楽観的になることが重要であることが示されています。私も多くのガン患者さんを担当してきましたが、くよくよしない楽天家の方のほうがガンを克服し、長生きする傾向にある と感じています。

体温を上げることで、免疫力も高めることができます。逆に、体温が下がると免疫力が低下します。

特にタンパク質は、免疫細胞や免疫グロブリン(抗体)の主原料になるため、タンパク質が不足すると免疫力が低下します。

また、ミネラル、特に亜鉛が重要です。食事からの亜鉛が足りなくなると、T細胞などの免疫細胞のはたらきが落ち、免疫力が下がることが明らかになっています。

腸内環境を整えるためには、乳酸菌やビフィズス菌など、 善玉菌(プロバイオティクス) をとることです。

より簡単に免疫力を高める方法としては、「笑い」があります。古くより、笑いによって病気が治癒することが、経験的に知られていました。

ただ・・・免疫力というと必ずと言っていいほど「何を食べると良い」みたいな食事の話しが出てきますが、以下のことは頭に入れておいた方がいいと思います。

現代医療では、「食事(あるいは特定のサプリメント)だけでガンが治る」というエビデンス(医学的根拠)はありません。

感想

アイデアを思いつく

私はがんの手術を終えた後にこの本を読んだのですが、がんについて知っておくべきことがよくまとまってる1冊だと思います。

病院選び、治療法の選択などで事前にこうした本を読んでいたら、あんなに悩んだり迷ったりはしなかったように思うんですよね。

このブログの冒頭で「日本人の2人に1人はがんになる」とかエラソーに書いてしまいましたが、私もガンを告知された段階では、ただ怖い病気というイメージ以外、何も知らなかったんです。

だから、どんな治療を受ければいいのか、どうすれば克服できるのか、ずいぶんと多くの本を読んだり、情報を求めてネットをさまよったりもしました。

そして、正しい情報を知らないがために、今から思えばあと一歩で怪しい民間療法にすがってしまうところでした(もし、あのままだったら多分、もうこの世にはいなかったと思います)。

私は再発転移も経験しているので、がんは本当に怖い病気だと今でも思ってます。

でも、その一方で正しい情報を集めて適切に行動すれば、生き延びる(克服する)ことができる病気でもあると思ってます。

必要なのは正しい情報と適切な行動です。

この本は、とても分りやすく、読みやすく書かれているし、がんを経験した私からすると「あの時、知っておけば良かった」という情報が詰まってます。

自分や家族が突然、がんを告知されたときに適切に行動できるようにするために読んでおくといいと思います。