ペンギンオヤジの舌がん闘病記 Written by ペンギンオヤジ

【書籍】筋トレでがんを防ぐ!克服する!「がんに負けないたった3つの筋トレ」

がん 書籍

●「がんに負けない たった3つの筋トレ」
●佐藤典宏:著
●マキノ出版

ペンギンオヤジ「がんでも今日から筋トレを始めよう!」

4年前、舌がんステージ3の告知を受け、約1か月後に大きな手術をすることが決まったときにドクターから「大きな手術になるので、それまでの間に体力をつけておいてください」といわれたんですよね。

体力をつけておいてください・・・と言われても具体的に何をどーすればいいのやら?
ただでさえ「がんです!」と言われて気持ちが動揺してるのに。

今から思えば、その時こういう本に巡り合っていれば、もっと積極的に手術に備えることができたのに・・・と思われてなりません。

今や、病気になったらベッドで大人しく安静にしてる時代は終わりを告げ、積極的に体を動かすことが推奨されるようになってきました。

「今日から筋トレを始めよう」と説く著者が、がん患者さんが筋トレをするメリットや具体的で簡単なトレーニングのやり方、筋肉をつけるためのお勧めの食事法などを詳しく解説してくれてます。

これから手術を受ける人、手術を終えた人、経過観察中の人、つまりがんを患うすべての人に向けた1冊になってます。

『著者について』
佐藤典宏
2001年から米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に留学し、がんの分子生物学を研究。膵臓がんを中心に1000例以上の外科手術を経験し、日本外科学会、日本消化器外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。
現在は医師として活躍する一方でブログやYou Tube、本の執筆を通してがんの患者に役立つ情報を積極的に提供してます。

アマゾンの内容紹介

★がん治療の成否は「筋肉量」で決まる!
週1回の筋トレで死亡リスクが33%減!
米国がん協会も推奨する科学的克服術
本書では、体力が低下したがん患者さんでも手軽に行える「腕立て」「腹筋」「スクワット」の3つの筋トレをはじめ、スキマ時間に行える簡単な筋トレ法を多数紹介しています。
ストイックに鍛える必要はありません。行うのは週2回からでもOKです。

科学的エビデンスが証明した!がん患者でも「筋肉は裏切らない!」

両手を上げるマネキン

がん患者に限らず、入院してる患者さんは病院のベッドで大人しく安静にしてるというイメージをもってませんか?

確かに昔は患者さんがヨロヨロとベッドから起き上がろうものなら、「ちゃんと大人しく寝てなきゃダメじゃない!」と叱られるようなこともあったかもしれません。

でも、今は手術の翌日から歩行などのリハビリをするようになってきてるんですよ(私もやらされ・・・・やりましたとも!)

なぜ、こういうふうに変わったのかというと、国内外の多くの調査によって筋トレなどの運動によって治療効果が高まるというエビデンスが積み上がってきたからなんです。

2014年にアメリカで実施された研究をご紹介しましょう。
2863人のがんと診断されたサバイバー(生存者)にアンケートを取り、運動について大規模な調査を行いました。
その結果、週1回以上の筋トレを行っているがん患者は、筋トレを行っていない患者に比べて全生存期間が延長していました。がんを含めたすべての死因による死亡リスクが、なんと33%も減少していることがわかったのです。

国内外の多くの研究により、がん患者さんが筋トレによって筋肉量(骨格筋量) と筋力を維持すれば、治療経過が良好になることが判明しています。

こうしたエビデンスに基づいたうえで著者は言います。

今や、安静を保つことは、がん患者さんにお勧めできません。むしろ、できるだけ今までどおりの生活を続け、運動も積極的に行ったほうがよいのです。

がんに負けないための筋トレメニュー

腕立て

基本の3つの筋トレ

この本のキモとなる筋トレについてですが、著者のおすすめは自重トレーニングです。

筋トレ初心者の場合、マシンや器具を使わない、自宅で行いやすい自重トレーニング(自分の体重を使った運動法)が勧められます。

具体的には上半身、腹筋、体幹、下半身の筋肉を鍛えることができるオーソドックスな次の3つの筋トレを推奨されてます。

(1)腕立て伏せ ▶ 上半身の強化
(2)フロントブリッジ(プランク) ▶ 腹筋・体幹の強化
(3)スクワット ▶ 下半身の強化

ポイントは、楽勝気分でできるようでは意味がないので「少しきつい」と感じる程度の負荷を掛けることだといいます。

ちなみに、毎日やる必要はなくて1週間に2〜3回くらいでよいそうです(詳しくは本書をご覧になってくださいね)

腕立て伏せのイラスト

▲このようなイラスト付きで具体的なやり方が解説されてます

また、本書の中ではこの3つの筋トレ以外にもちょっとしたスキマ時間でできる「ながら筋トレ」も4つほど紹介されてます。

余談ですが、この「ながら筋トレ」の中にある「座って太もも上げ」とか「かかとの上げ下げ」という簡単筋トレは私も入院中にリハビリでやりました。読んでいて、ちょっと懐かしい〜って気分になりましたよ。

筋トレだけでなく有酸素運動も重要

この本によれば、筋トレだけでなく有酸素運動も重要だとのこと。有酸素運動も併せて行うことで、治療効果がさらに高まるという研究結果もあるといいます。

2012年にアメリカのがん協会が公表した「がんサバイバーのための栄養と運動のガイドライン」のなかに、がん患者に向けた2つの運動の指針が提案されたと書かれてます。
がん患者に向けた2つの運動の指針
①1週間に150分以上運動することを目標にする
②1週間のうち2回以上は筋力トレーニングを運動に含める

有酸素運動というのは、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリング(エアロバイク)など、ある程度の時間をかけながら軽から中程度の負荷をかけて行う運動のことですね。

この有酸素運動を1週間に150分以上、つまり1日30分の運動を週に5日行うということになります。

注意する点

健康ならそれほど問題もないのでしょうが、やはりがん患者さんが筋トレをするときには、それなりに注意も必要です。

例えば、極度の貧血や血圧に問題がある人(高すぎ、低すぎ)、心臓や肺に持病を持ってる人など(詳しくは本書にて)は、運動を控えたり、主治医に相談してくださいと書かれてます。

他にも・・・

抗がん剤の持続点滴中や治療直後は、筋トレを控えてください。

抗がん剤の副作用で白血球( 好中球) が減少しているときには、スポーツジムなどの公共の施設を利用することは避けてください。 感染症を患うリスクがあります。

こうした注意が書かれています。詳しくは本書にて確認するか、事前に主治医に相談されたほうが良いかと思います。

筋肉をつける食事法

納豆たまごご飯

筋肉をつけるためには、むやみやたらに筋トレをするだけじゃダメなんですよね。

筋トレの効果を高めるためにも食事には気を使いたいところです。

特に、トレーニングによって得た筋肉を維持するためには、 たんぱく質の継続的な摂取 が欠かせません。

より筋肉が必要とされるがん患者さんは、 1日に体重1㎏当たり1・2~1・5gのたんぱく質を摂取すること を目標にしましょう。たとえば、体重 50 ㎏のかたであれば、 60 ~ 75 gとなります。

そして、たんぱく質を含むおすすめの食品としては以下のものが挙げられてます。

● 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)
● 魚介類(サバ、サケ、シラス、エビ、タコなど)
● 大豆食品(豆腐、納豆、豆乳など)
● 卵類(鶏卵、うずらの卵など)
● 乳・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)

私、舌がんで舌の2/3を切除して再建手術を受けた上に、放射線治療で舌の動きが鈍くなっているので、いまだに食事には苦労してます。

特に動物性たんぱく質が含まれる肉とか魚は超苦手で、サプリで補おうと思ったのですが、それだけでは充分な量を摂取できません。

考え末に、大豆食品や玉子、乳製品を多めにして魚は鮭フレーク、肉は鶏そぼろなど比較的食べやすいものを探して食べるようにしてます。

舌がん以外のがんでも抗がん剤や放射線治療中はどうしても食欲が落ちたりすることがあるので、「工夫」が必要なんですよね。

工夫といえば、次のこれなんかは基本ですよね。

がんの症状や治療の副作用により1回の食事量が減っている患者さんは、食事や間食の回数を増やし、1日4〜5回に分けてたんぱく質を補給するとよいでしょう。

また、たんぱく質に加えてビタミンも筋肉をつけるためには必要な栄養素です。

たんぱく質を意識するあまり、ビタミンやミネラルなどが不足する可能性もあります。特にビタミンは、筋肉づくりをサポートする重要な役割を担います。

感想

読書の感想

今回の記事では本書の中から・がん患者さんに取っての筋トレの有効性・具体的な筋トレや有酸素運動のやり方・おすすめの食事法などについて紹介してみました。

他にも本書では、・筋肉が減少することでどのようなリスクがあるか?・筋トレでがんを克服した人たちの体験記・筋トレや生活習慣に関するQ&Aなどが書かれています。

特にQ&Aは著者が自身のYouTubeチャンネルで解説もされているので、興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか?


最後に少しだけ私の体験を・・・

手術で入院した1か月の入院期間中、理学療法士と言語聴覚士の先生が付いてくれて日々、リハビリをしていました。

その主な内容は、病棟の廊下でのウォーキング、リハビリルームでのエアロバイク、腕や足の筋トレといったものでした。

その他にも自主練と称して、暇さえあれば病棟内でウォーキングをしてました。

その時の私のモチベーションは退院したらワンコと一緒に散歩したい!というものでした(笑)

私と同じように自主的にウォーキングをしたりしてる患者さんも何人かいましたが、決して多くはありませんでした。

看護士さんに聞くと、「少し運動した方がいいですよ」と言っても多くの患者さんは「疲れるからいいや」などと言ってベッドから動こうしないのだとか。

筋トレとか運動(リハビリとか)って、筋肉を維持したり増やすという直接的な効果のほかに、気分転換みたいな心理面での効果もあると思うんですよね。

少なくとも、体を動かしている時は少しは気分がポジティブになるじゃないですか。

この本で紹介されてる筋トレは、ゴリゴリのマッチョになるためのハードなものではなく、気軽に短時間で出来るものばかりです。

それでも普段から運動をしてない人にとっては、少しハードルが高いかもしれません。

そんなふうに感じる方は、腕立て伏せやスクワットではなく、スキマ時間でできる「ながら筋トレ」から始めるのも良いのではないでしょうか?(私はそうしてます)